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プレミアムフライデー以前に水曜日の「定時退社日」が無意味である理由

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先日、プレミアムフライデーなんてのがちょっと話題になった。

月末の金曜日は早めに帰ろう、という取り組みで言葉くらいは聞いたことある人も多いと思う。

が、そもそもそれ以前から多くの会社では水曜日は定時退社日と定められていることが多いだろう。

僕がいる会社も同様で、水曜日になるとドアの前に『今日はノー残業デー、できるだけ定時に退社しましょう』という紙が張り出されている。

しかし実際のところどうなのか?皆さんの職場はどうですか・・・?

ノー残業デーの実態はいかに

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水曜日がノー残業デー。それはね、みんな理解しているんだよね。伝わっているのです。大部分の人は認識はしています。

が、実際の効果のほどはというと

これがまあ帰らない。

しかし帰らない。

どいつもこいつも帰らない。

当然のごとく帰らない。

むしろ定時になると嬉しそうに下のコンビニに夕食を買いに行くおじさんとかいる。

ご覧の有様だよ!

せいぜい一部の女性社員が帰りに1000円で映画を見に行くくらいのものですよ。帰るのって3割くらい?

普段から定時に帰っている人を除いて「水曜だから早く帰る」なんて人は1割くらいしかいないんじゃないかなあ。

所詮はなんの強制力もない紙っぺらをただ貼りだしているだけなんて全く効果がないんです。

強制力がないから誰も動かない。周りが帰らないから自分も帰らない。負のスパイラル。

うぬぅ。どうにかしたい。。。

なぜ定時退社日に帰らないのか

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 手っ取り早い方法はさっさと自分だけ帰ればいいのです。他人を動かすよりも自分が動く方がずっと簡単ですから。

僕が当然のように定時退社すれば自然と周りもそれを見て「あ、じゃあぼくも・・・。」みたいになるかもしれない。

まあならなくとも少なくとも自分は帰ればよい。周りを気にする必要はない。

でも根本的に日本の労働環境を変えるという大きなテーマで考えてみると、『そもそもなぜ帰らないのか』という疑問を解消しなければなりません。

会社から帰っていいよと言われているのにあえて帰らない理由は何なのか?

みんなが帰らない理由を考えてみた

  • ①予定の仕事が終わらない。今日早く帰ればその分明日の仕事が増えるだけじゃん。

  • ②周りが帰らないから帰りづらい・・・。

  • ③何となく残って仕事しているほうが真面目っぽく見られるかなあって。

  • ④ワーカーホリック

  • ⑤とりあえずキリの良い所までは終わらせておきたいだけなんだ!

  • ⑥家に帰っても居場所がないのよ・・・。

  • ⑦生活残業で稼がなきゃ♪

  • ⑧スキルを身につけるため、頑張る!

理由として考えられるのはこんなところでしょうか。

さらに年代別に考えらえる理由を当てはめていくとメインはおそらくこんな感じかと思われます。

  • 若手層(20代~)

 ②③⑤⑧

  • 中堅層(30代~)

 ①④⑤⑦

  • 中年以降(40代~)

 ①④⑤⑥

年代別に詳しくみてみよう

若手層(20代~)

まず、若年層である20代は大きく2パターンに分かれるよね。

1)仕事を通してスキルアップや将来に向けての成長を早くから意識している

2)あくまでもプライベートがメイン。仕事はお金を稼ぐ手段に過ぎない。

1)ならば⑤や⑧が中心だろうし、2)ならば②や⑦のパターンがありえるでしょう。(そもそも「普通に定時退社する」という選択肢もある)

別にこれってどちらでも優劣はないと思っていて1)のパターンであってもスキルアップ自体や将来の収入アップに楽しみを見出しているわけで、結局2)が家に帰ってドラクエでレベルアップしているのを楽しんでいるのと根本的には変わらないと思うんだよね。

別にそれが悪いって話じゃなく、何らかの楽しみや目標があってそれに向かっているわけで2)の考え方は決して非難されるものじゃ無いでしょうということを言いたい。

さて、話を戻すとこの場合はどうしたら定時退社が推進されるでしょう?

  • 定時退社により強い強制力を持たせる(上司からの退社指示)
  • もともと定時退社の前提でスケジューリングさせる

こんな辺りを取り決めれば、定時退社率は高くなるでしょう。従って若手に定時退社をさせるのは難しくないと思われる。

中堅層(30代~)

この年になるとは若手以上に二極化が顕著になる。社内ニート寸前のタイプとバリバリ最強No1タイプ。

前者は公然と⑦を実行するタイプもいるし、弱気タイプだと②や③もありえるね。

こちらは若手同様の取り決めの強化に加え不要な残業は認めない(必要な理由を明記して上司承認をもらう)といった形にすれば激減するだろうね。

問題は後者のバリバリタイプです。特に超意識高いMAX!まで突き抜けると⑧を残しつつ①や④の思いが強いので、とにかくひたすらに与えられた仕事を全うしようとする。素晴らしい。

後者のタイプは前者タイプを軽蔑すらしていることも往々にしてある。実際に仕事はできるし、周りからの信頼も高く影響力もありますからある意味最も厄介なタイプかもしれない。

仕事はきっちりこなすが休む時は休む、とメリハリがついているならいいのですが、仕事の状況次第いかんで躊躇なくノー残業デーなんて無視しちゃう。(しかも高確率で)

スケジューリングも本人の裁量に任されている部分も多いし、結果も出すからちょっとやそっとでは定時退社させるのは難しそう・・・。

うーん、これは手ごわそうなのでいったん後回しにしますか。

中年以降(40代~)

中年以降になると大抵の場合役職付きになるので残業代は支給されないパターンが多くなる。

だから本来であれば最も定時退社の恩恵をうけるべきなのにあえて放棄しちゃうんだよね。

それは『ちょっとくらい早く帰って休む』よりも『仕事をきっちり終わらせて評価されたい』という思いがあるからじゃないかな。

あるいはこの年齢になると社会経験の長さからプライベートよりも会社への帰属意識が強く「とにかく与えられた仕事はこなさなければならない。プライベートは二の次」と考えているのかもしれない。

いまだに大手企業などでは大半がこういう考え方が根強い。

役職付きであれば命令できる人も限られるから、強制的に定時退社させるのは非常に難しいでしょう。

一方で窓際族(死語?)の様に社内ニートの成れの果てみたいなパターンも0ではなかったりする。

また、家庭での立場も弱く、自宅よりも会社の方が居心地がよいという涙がちょちょぎれそうな話も実際にあるんだよね。

このパターンは基本的には若手中堅層同様、会社としてのルールで縛ればおとなしく帰るでしょう。(そのまままっすぐ帰宅するかは不明)

キーパーソン(戦犯)は彼らだ

というわけでいろいろなパターンを見てきましたが定時退社させるのが難しそうなのは

  • 中堅層でバリバリ仕事をこなすタイプ
  • 中年層できっちり仕事をこなすタイプ

の2グループということになるね。

彼らが会社のトップレベルを牛耳っているわけで、しかもその影響を少なからず受けて他のメンバも帰れない(帰らない)という負の連鎖につながっているわけだ。

彼らをどうにかして自宅にバシルーラしてやれば定時退社、ひいては有給や各種夏冬休みの取得率の圧倒的増加にもつながることは間違いありません。

こうなりゃ何がなんても打開策をみつけてやる・・・!

どうやったら彼らは帰るのか

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いくら彼らがそのチームの要で、ガンガン残るといってもスケジュール上余裕があれば、無駄に残ったりはしないはず。

なぜ余裕がないかを考えてみた方が早そうだ。

帰らないのではなく帰れない

例えば、IT系のパターンで考えてみます。知らない人はピンとこないかもしれないけどご容赦を・・・!

まず、新しいプロジェクトが立ち上がった直後などの調査分析を行っている段階ではみな比較的早く帰る。

マラソンでいえばまだ走り始めた直後なのでいきなり全力疾走はしないだろう、ということ。

しかし、その後要件が固まっていき、関係者との打ち合わせや開発が佳境に差し掛かってくると徐々に帰れなくなってくる。

要はそもそものスケジュールに問題があるのではないかという話かこれ?

というか、最初の時点で予定したスケジュール通りに物事を進める、というのが非常に難しいんですわ。

よっぽどのブラックや初めから炎上しているプロジェクトでもない限り、当初はある程度の余裕を持ったスケジュールとしているのが一般的だよね。

それを加味しても実際に進めていくと、予定外の問題が発生したり要件が変わったりと流動的、不確定な要素が多く出てくる。

つまり予定はあくまで最初の時点でのぼんやりとした予定にすぎないわけだ。

その為、実際に走り出してから色々と変更が加わり、結果として後半にしわ寄せがくることで当初の余裕がなくなってしまう。

回避策を考えてみる

対策として思いつくのは以下の2つかな。

1.不確定要素を可能な限り廃止する

 計画変更が起こる可能性がぐっと低くなり、当初の見積もり通りのスケジュールで進めることができる。

 しかし、状況に合わせた柔軟な対応や方針転換ができない為結果的に出来上がったものが実態に即していなかったり価値のないものになってしまう可能性がある。

2. 不確定要素が起こるたびにリスケする。

 予め余裕を持っておくのではなく、何か方針転換や問題が発生した際に、随時リスケする。これにより常に負荷は一定を保ったままゴールに向かって進むことができる。

 しかし、当然ながら当初のスケジュールの意味合いは薄くなり次々と納品を先延ばしにすることで一定期間でのプロジェクトとという意味合いが崩れてしまう。

結論:どっちもダメ?

 うーん、どちらもいまいちうまくありませんね。

大半の場合は最終ゴールと締め切りは守りつつ可能な限り当初の猶予期間で不確定要素を吸収しようとして、内部メンバに負担がかかったり失敗プロジェクトになったりするのでだろうね。

これだけプロジェクト後半の残業が恒常化しているということは完全に当初のバッファが足りていないケースが多すぎるというのが事実なんじゃないかな。

つまり予定通りいって3か月位かかるプロジェクトならばバッファをその倍とって半年計画にする。

それくらいの形にしないと不確定要素込で残業なしという条件では終わらないでしょう。

しかし、会社組織には予算があるわけだから、本来の倍の工数を見積もってそれがまかり通ることはあり得ないし、実際バッファが不足しても多少残業代を払ってでも3か月で終わらせる、という方をとるだろうね。どうかんがえても。

これではどうやったってキーパーソンの彼らが自ら定時退社するなんてありえない。

根本的な原因に気づいてしまった

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そもそも会社組織の目的は利益をあげること。ストレートにいうと企業の目的は儲けることである。

社員を幸せにすることでも社会に貢献することでもありません。

だから利益を最優先にする以上、そこで働く人間が負荷を受けるのは当たり前なんだよね。

要は会社組織に入るということはその会社が儲かるために自分を犠牲にします。ということと同義。

会社に入った時点で残業を回避するとか負荷を軽くするなんていうのははなから幻想だったということではないか・・・。

こうなってくると逆にノー残業デーとか定時退社日という存在そのものが会社から出てくること自体がおかしいということになってくるよね。。。

んん?いや待てよ

先ほどの話に戻って考えると会社は自身の利益を最大化させることが目的だから、定時退社日を設ける最大の目的は以下の2つではないのか?

  1. 工数の削減
  2. 今後も長期的に使用する消耗品が壊れない様適度に休ませる

うおおお、2こえーーー!!

でも考えれば考えるほどこれしかありえない。1はまあわかるでしょう。実際人件費削減はどこでも掲げられているテーマだし、利益追求のためには支出の削減は避けて通れないからね。

そういう意味では残業代が支給される社員すべてが(定時退社日にあえて残業することで残業代以上の価値を上げる場合を除いて)さっさと帰った方が会社にとっても都合がいいわけだよね。

これは生活残業だろうがやる気元気いわきだろうが一緒。

2はその人が休まないとしてもその後のパフォーマンスに影響がでないのであればどっちでもよい。ということになるかな。

突き詰めれば有給であれ福利厚生であれ、消耗品をながく使う為のエサにすぎない。

エサを与えなくとも長く働き続ける蟻ならば企業にとっては万々歳なわけだよね。そういうバイタリティにあふれる人材であれば、昼休みだろうと定時以降だろうと無給で勝手にまじめに働き続けてくれて構わない。

そう思われているのではないか。

まとめ。そして僕の考え

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 まとめると定時退社が広がらない理由は以下のようになるのかな。

 いくら定時退社を掲げても、チームにおける中心人物たちがかえらないから引きずられるように周りも帰らない風土が出来上がっていく。

そもそも余裕のないスケジュールがキーパーソンとなる彼らを帰してはくれない。そしてその余裕のないスケジュールを回避するのは容易ではない。

そして会社としての存在意義である利益の追求のためには『利益につながる流動的な要素に可能な限り柔軟に受け入れること』『スケジュールを順守すること』という相反する要素を両立させなければならない。

その為の手段として、社員という名のリソースが存在しているわけだから会社の利益の為、がんばれ。

現状を打破するためには

 この構図を壊すにはどうすればいいのか。

これは時間とともに壊れていくと思う。

今は年配者の多くが会社に対し帰属意識をもっているから、この事実に気が付いていても、それでもなおリソースとして最大限頑張ろうと思って働いているんだと思います。

これはこれですごいと思う。だからこそ日本の経済的な急成長もあったんだと思う。

しかし、外国と比べて日本の生産性の低さが指摘されていることからも、愚直に労働時間によるカバーだけで成長できる段階は過ぎ、すでに頭打ちになっているのだろう。

なまじそれで成長できてきたから、今でもそうやって長時間労働をいとわず頑張ることが最良の方法と考えているのかもしれない。

若者は昔ほど会社への忠誠心は高くないし帰属意識もないから、やがて自身が会社のリソースにすぎないと気付いて必要以上に尽くそうとは思わない割合が多くなっていくだろう。

そうなれば全体的な労働時間は減少していくだろうね。その結果、会社は回らなくなっていくのか?

いや、実際には今以上に生産性が高くなり、時間の無駄が減っていくんじゃないだろうかと思う。

きっと少ない時間で最大限の効果を求めるようになっていくはず。

会社を成長させてきた人たちが、今では逆にさらに会社が効率的に変わろうとしているのを邪魔しているのかもしれない。

というわけで、まず、社員一人一人が会社というものを構成するためのリソースにすぎないという事実を理解し、そのうえでその会社における自分の在り方を見つめなおすことが重要なんじゃあないかね。

効率よく仕事をして有意義なプライベートの時間が増えていくといいなあ。

おしまい☆